iFortune Lab

投資・資産運用を中心に趣味も交えたブログを書いてます

リートは日本は割高 豪州は押し目待ち

昨年からリートが強い。東証リート指数は2018年に1662から6.7%上昇の1774、2019年現在はさらに12.5%上昇して1996を付けています。国内ではマンション価格の下落がささやかれ始めてますが、一方でオフィスの空室率の低下と平均賃料の増加が価格を押し上げているようです。加えて昨年から始まったリセッション懸念からポートフォリオのディフェンシブ比率を高めるリバランスニーズもあるのでしょう。世界的な金利低下により機関投資家は一定程度リートの比率を高めていると思われます。

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住宅バブル崩壊の中で豪州リートも強い

ここでオーストラリアのリートに目を向けると東証リートよりも上昇傾向にあることがわかります。豪州リート指数(S&P/ASX200 A-Reit Index、Aリート)は2018年こそ1405から1420の1%上昇と限定的でしたが、今年に入り21%上昇の1725を付けています。長期的に見てもリーマンショック以降の豪州リートの上昇は目を見張るものがあります。

豪州の住宅市況は2017年頃にピークをつけて現在ではシドニーなど都市部を中心に住宅価格は下落を続けています。それにもかかわらずAリートが活況な理由はそもそも指数の構成で住宅セクターの比率が非常に小さい(1%程度)であることが挙げられます。ちなみに構成比の半分は小売セクターです。

さらに豪州は足元ではRBAによる利下げがなされており、環境面も追い風となりAリートは上昇を続けているようです。

Jリートは割高で一方Aリートは魅力的

両者の水準について私見を述べると、Jリートに関しては平均分配金利回りが3.5%まで低下して来ておりここからは警戒感を持っていきたいです。今の勢いが持続すると平均利回りが3.0%を割込んで行く可能性は十分にありますが、その時はJリートのアンダーウェイトを考えるタイミングと思っています。

一方、Aリートはバリュエーション的にもまだまだ割高感はなく少し長い目で見れば買ってもいいレベルにも思います。ただし短期的・チャート的には流石に過熱感も感じられるので押し目を待って買い場を探したいところです。Aリートの長期のチャートではリーマンショック後の高値は抜けて、リーマン前の最高値をトライしに行く勢いを感じられるのでまだまだ魅力的に写ります。

米株が最高値を更新する日が続いていますが、流石にここからの米株オーバーウェイトはリスキーに見えます。そのため最近では他の投資対象を日々探しています。 

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FF金利25bp利下げは既定路線 年末50bpなるか

先週末の雇用統計を受けて7月FOMC利下げの折り込みが25bpカットでほぼ収斂しました。(これはFF金利先物の各限月の値を見ればわかります)これまでは25bpカットが7割程度で50bpカットが3割程度いるという分布でしたが、流石に雇用統計の数字が良すぎたため50bpカットはないな、というマーケットの判断なのでしょう。

ちなみに一部のアナリストは7月FOMCの利下げ見送りの可能性を言及しています。確かにファンダメンタルズを見る限りFedが利下げを急ぐ必要はなそうなのですが、ここまで市場の期待が膨らんでいる中で利下げ見送りは流石に出来ないと思うのですがどうでしょうか。

ちなみにFF金利先物の9月限と12月限を見ると年末までの50bp利下げは以前7割近くあります。つまりここから今回の雇用統計は一時的なものでFedは年末までに結局2回利下げは実施するだろうと市場が考えていることが伺えます。

今回の雇用統計の数字を見て私の第一印象はやっぱり米経済強いなと思ったのですが、まだまだ今後の指標を確認していく必要はありそうです。

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リハビリ 7月雇用統計を受けて

久しぶり(3ヶ月ぶり)のブログ更新。この間会社が変わって結構バタバタしてました。ブログ更新を再開しようかなと思い立ち、まずはサボってた分のリハビリが必要かなと。

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マーケットは5月からかなりベアで、米国・日本・欧州の順に金利が下がり続けました。

しかし昨日の雇用統計の結果(+22.4万人)を受けてマーケットは少し冷静になるかもしれません。Fedの7月利下げ25bpは半ばマーケットが自己実現的に作り上げたコンセンサスではあり、以前メインシナリオではあります。しかしそれだけでなく9月までに50bp利下げを一部織り込んでいるわけですが、流石に今回の雇用統計の結果からこれは行き過ぎだと思う人は多いはずです。

面白いのは雇用統計の結果を受けた米株の反応ですね。利下げ局面で何度となく見てきて光景ではありますが、good numberに対して株価が下がるというのはあまりいい兆候ではありません。緩和頼みということですから。まずはマーケット全体が米経済は思ったより悪くないぞ、という自信を取り戻す必要があります。

とにかく週明けの日本株から日本・欧州の債券市場がどう反応するか楽しみですね。

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米国逆イールド発生

米株は落ち着かないですね。3/20のFOMCFRBハト派姿勢を見せて、その後の21日は株式市場はリスクオン。しかし22日は欧州で仏・独両国のPMIの悪い結果を受けて景気減速懸念が再び台頭し、さらに米金利3m-10yのインバートによる警戒感から大きく売られてしまいました。

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リセッション?またもや過剰反応?

一方で同日発表された米中古住宅販売件数は非常に強い数字を見せたようです。足元で市場はまたもやリセッションを意識し出していますが、過剰反応なのかどうなのかの見極めが難しいところです。先日も書きましたが長期投資家としては市場の過剰なセンチメントに飲まれずに淡々と買い時・売り時を見極めていく必要がありますね。しかしリセッション懸念を言及する人が増えてきた昨今では、投資判断を冷静に判断するにも2019年は精神的タフさが求められそうです。

jp.reuters.com

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FRB年内利上げなし!株価上昇の環境は整いつつある

昨晩のFOMCFRB政策金利(2.25% - 2.50%)は据え置かれ、さらに年内利上げなしを示唆しました。年始にパウエル議長のハト派コメントから株式市場は急速に戻し基調に転換しました。今回のFRBはさらにハト派色を強め、事実上の利上げ休止に近い内容をアナウンスしたことになりますね。

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市場の反応

その日の株は米中問題も重しになり、結果的にFOMCに対するS&Pの反応は8ポイント低下(-0.24%)と限定的なまま取引を終えています。一方で米債市場は米金利が0.09%近く下げる形で反応しています。

株価上昇への足固め

個人的には今回のFOMCハト派色は予想以上で、株式市場にはポジティブであると考えています。株価は今後のグッドニュース・グッドナンバーに素直に反応しやし環境になったと考えています。

確かに経済指標は景気拡大の減速を示唆するものが増えてきており警戒は必要です。しかしそもそも足元の景気は極めて良好です。また昨年末の株価急落は現在の株価回復を見ればマーケットが景気減速を過度に警戒した結果であったことは明白です。そうであれば市場に楽観ムードが戻ってくれ株価は年末に向けてまだまだ上昇余地が残されています。今回のFOMCによってその楽観ムード構築に近づきました。

年末の株価急落時から私は度々ブログやツイッターで発信していますが、私は景気について依然強気にみています。順調にいけば今年の中頃から終盤に向けて株価は最高値を更新していくのではないでしょうか。しかしその途中では何度かマーケットが荒れるタイミングがあるかもしれません。高値警戒感は持つべきではありますが、それだけが理由でマーケットが過度に反応した下落局面で株を売ってしまわないよう強く自分を律する姿勢が求められますね。

 

good-fortune.hateblo.jp

 

【書評・投資初心者向け】スタバ株は1月に買え!

ちょっと古い本ですがイベント投資という手法について非常に平易に書かれています。一部の内容ではあまり賛同できない箇所もありましたが(インデックス投資を否定しているなど)、3月末にかけて株主優待の権利狙いによる株価上昇を利用するなど、マーケット・サイクルについてわかりやすく説明しています。

ポイントは株主優待銘柄

簡単に言うと、人気株主優待銘柄はその権利確定日である3月末にかけて個人投資家の買いが流入しやすく、一方で機関投資家は決算前のため大規模な売りを仕掛けづらい、という市場構造を利用する戦略が紹介されています。なお、タイトルにあるスターバックス株は本書出版当時は人気株主優待銘柄でしたが、現在は東証には上場しておらず残念ながら本書の戦略をそのまま適用することはできません。しかしエッセンスは同じですので多くの銘柄に適用できる戦略です。

イベント投資自体はもっと広い意味を持つ投資戦略のことを指すようですが、本書では特に株主優待に向けて株価が上昇しやすい日に向けて仕込む戦略をイベント投資の一つとして説明してます。

遊びで試すには面白いかも

個人的には投資の王道は長期投資であると思っています。それもインデックスをメインとした世界分散株式投資です。

そのため本書に書かれているような投資手法で誰でも儲けられるかと言えば当然そのような甘い話ではないと思います。その意味では本書の内容は投資初心者にオススメはあまりしません。しかし1年を通したマーケット・サイクルの考え方や、本書の各章でまとめられている投資の心得の多くはイベント投資に限らず投資家なら知っておくべき考え方です。それらが非常に平易に書かれているので、初心者の方でも一度読んでみることをお勧めします。

私自身はというと、本書を読んでポートフォリオの数%の資金を通じた遊べ金でイベント投資をちょっとやってみたくなりました。

 

【4188・日本株】割安?高配当な三菱ケミ

最近はもっぱらインデックスと米国個別株投資ばかりしている私ですが日本株もしっかり見ています。そして日本株の中で私が現在注目しているのが三菱ケミカルホールディングスです。理由は割安感と高配当、そして安定した成長性です。

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PER直近は十分割安

現在の三菱ケミのPERは5.5倍程度。これは化学セクターの平均PERが低いこともありますが、同業他社である住友化学(7.3倍)や三井化学(7.0倍)と比べてもやはり割安な状態と言えます。さらにヒストリカルに見ても過去5年間ではPERは8〜10倍で平均的に推移していたことを考えると現在のPERはやはり割安です。

配当利回り5%の高配当!

三菱ケミの現在の配当利回りは5.0%程度と高配当銘柄になっています。また配当性向も20%台と十分に余裕があります。むしろもっと配当に回せよ!と考えてしまうのは私だけではないはず。とにかく高配当銘柄好きな投資家にとっては三菱ケミはよい選択肢になると思います。

安定した成長性

国内化学メーカーグループとして三菱ケミは三菱化学三菱樹脂三菱レイヨン等、それぞれの得意とする素材では世界でトップシェアを誇る企業を有しています。規模がものを言うこの化学業界で三菱ケミは大きなアドバンテージを持っています。

さらに化学素材の需要は経済が発展している限りなくなることはありません。新興国の発展は長期的にまだまだ続くと見られています。そんな世界の経済発展が続く中で三菱ケミはこれからも安定的に稼ぐことが期待できるのではないでしょうか。

ちなみに三菱ケミはタイ石油公社と共同でストロー等に応用可能な脱プラスチックの新素材を昨年開発しました。欧州を中心に環境への懸念からストロー等のプラスチック消耗品への風当たり強まっており新素材の導入が待たれているところでした。現在スタバやマクドナルド等と協議しているとのこと*1。収益拡大に期待してしまいます。

一見、地味なセクターのなかで冴えない株価の推移となっていますが、今年はシーゲル流を取り入れると宣言した私にとってはそこが逆に魅力的に思えてくるのです。株価が割安なこの時期にこそ投資しておくことは一考の価値ありではないでしょうか。

ちなみに三菱ケミの次の権利確定日は3月末です。配当が欲しい方はお早めに!(笑)

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